男の作法 池波正太郎の感想
今日は恒例、年に2回のお墓参りの日
日帰り九州、福岡久留米。
機中でのお共は池波正太郎氏の「男の作法」をもって出かける。
池波氏の本ははじめてで、ある記事を読んでおすすめされていたのがきっかけ。
![]() |
男をみがく本
男をみがくという問題を考える上で、本書はささやかながら一つのきっかけぐらいにはなかろうかと思います。
どうか、年寄りの戯言とおもわれ、呼んでいただきたい。そうすれば、この本は、さほど、おもしろくないこともない。
という彼の言葉ではじまる書に一日楽しむことができた。
もちろん、色んな考え、価値観はあるだろう。が、一流の作家さんの話を一日聞けた気分だ。
書き下ろしというか語りおろしの本書内では彼流の
鮨屋のたべかた
組織
休日
勝負
人事
旅行
そばの食べ方
和服
浮気
てんぷら屋での食べ方
母親
チップ
心遣い
うなぎの食べ方
一戸建て
風呂
ビールの飲み方
寿命
運命
死
生
楽しみ
といったテーマで痛快、軽快に語ってゆくのである。(上記はほんの一部)
なるほど、と思ったり。今ではそんなんないなと感じたり。
演出家としても活躍していた人だけに作家という「独りよがり」な価値観でなく、舞台を役者さん、裏方さんとつくりあげるいわゆる「経営者」的な観点からも様々な価値観を語ってくれていた。
もう一回読んだからうちの若いスタッフにでも渡そうと思う。
本ってのはいいね。人の経験や価値観を会えなくても、時代が違っても吸収・体験できるから。
この本で一番印象に残ったのは池波氏の
「自分は死ぬところに向かって生きているんだ..,」という哲学。
ただそのことを「ふっと思えばいいんだ」「漠然とたまに考えるだけでいい」ことで自分のまわりのすべてのものが「みがき砂」になり
「男のみがき砂として役立たないものはない…」
と深い言葉になるんだな。
たぶん。
![]() |